ベトナムには多くの日系企業が進出していますが、進出企業の約半分は製造業です。日系企業の進出は、ベトナムに1986年に施行されたドイモイ政策を皮切りに、1990年から始まりました。
ベトナムは日本と同様に南北に細長い形をしており、北部、南部、中部で気候や特性が大きく異なります。ベトナムに進出している日系の製造業も、北部、南部、中部でそれぞれの傾向があります。
ユニクロ、MUJI(無印良品)など、生活の利便性向上となる進出・新規出店も増えておりますが、今回はそれぞれの地域に進出し工場を持っている日系企業をご紹介し、その特徴について見ていきたいと思います。
ベトナムの首都ハノイ市や、物流の拠点の港町であるハイフォン市を中心とした北部は、多くの工業団地があり、その数は150以上にもなります。
多くの日系企業はハノイから通勤圏内、もしくはハイフォン市周辺に集中しています。工業団地にもよりますが、とくにハノイにより近い「タンロン工業団地」などを中心に日本の大手製造業が多く集まっています。
北部は大手製造業とそれに付随するメーカー、サプライヤーという、OA機器や自動車などの輸出加工型が多く、一方でバイクや自動車を中心に内需型の大手企業も進出していると言えるでしょう。
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ダナン市を中心としたベトナム中部も、日本からの直行便ができ、最近ますます注目が集まっています。ダナンはベトナムのシリコンバレーと呼ばれ、ITオフショア開発の拠点となっており、日本からの投資はITと製造業が中心です。
南北に長いベトナムの北部ハノイと南部ホーチミンのちょうど真ん中にあるため、製造業においては調達先を両方から選ぶことができるということが大きな利点です。
中部では、輸出加工型の企業の進出が中心です。
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ドイモイ政策を受け、いち早く海外からの投資を受け入れ始めたホーチミン市では、商業都市として首都ハノイよりも日本を含め海外からの進出企業が多く、インフラなどの整備も進んでいます。
工業団地の数はベトナム最大の約180となり、物流の拠点である港が近く、さらにカンボジアや香港、シンガポールなどへのアクセスが良いことも利点です。
南部では北部に比べると輸出加工型企業は中堅、中小企業が中心です。一方で食品や一般消費財、小売、外食産業などを中心に内需型の大手企業が多く進出しています。
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ベトナムへの日本企業の進出は南部から始まり、北部、そして中部という順番で増えてきました。都市の発展具合や人口、インフラ、日系企業の多さなども同じ順番です。
それぞれの地域の特性や既に進出している企業、調達先、コスト面などのバランスを見ながら、ベストな進出地域を選ぶことをおすすめします。
ベトナムの北部、南部、中部の工業団地についての詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。
ベトナムで工場をレンタル/建設するなら北部?南部?中部?それぞれのメリットを紹介
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