ベトナムでの移動手段について

ベトナムでの移動手段について

ベトナムは日本と大きく異なる交通状況で、最初の訪問では驚く事が多いのではないでしょうか。
ベトナムの移動手段は、主に以下の通りになります。

 

・バイク ・車
・タクシー ・バス
・電車 ・配車アプリ
・飛行機 ・自転車

 

旅行やビジネスでベトナムを訪れる際には、移動手段の確保は欠かせません。
日本の公共交通機関は時刻通りに運行されますが、海外では交通事情は異なります。
ベトナムでは様々な交通手段があり、交通インフラも年々発展しています。

 

≪ハノイ市内での移動手段について≫

 

◆配車アプリ
ベトナムでは、「配車アプリ(ライドシェアサービス)」が最も便利で一般的な移動手段となっています。車だけでなく、バイクタクシーもアプリを使って利用することができます。
日本では、無許可の「白タク」は禁止されていますが、ベトナムでは多くの人が自身の所有しているバイクや車をタクシーとして活用してドライバー業務を行います。アプリが近くの乗客を探してマッチングし、乗客を迎えに行き、目的地まで送ります。

現在、ベトナムでは主にGrab・be・Gojek・Xanh SM(VinグループのEV)という配車アプリが利用されております。
配車アプリを利用するメリットとしては、タクシーを探したり予約したりする必要がなく、使いたい時にすぐにドライバーを呼べます。また、料金が事前に確認できるため、利用者はぼったくりの心配をする必要がありません。
問題点として、ドライバーが出発地(利用者の現在地)にスムーズに到着しない場合や、言語の問題からコミュニケーションが取れない場合があります。また、混雑・雨天時には料金が高騰することや、ドライバーによって運転技術がバラバラで、道に迷ったり、到着が遅れたりする場合もあります。
また、各タクシー会社も配車アプリに対応しており、料金はメーターになりますが配車依頼が行えます。

 

◆タクシー
ベトナムでは配車アプリが広く利用されていますが、タクシーを直接ピックアップすることも可能です。配車アプリで近くのドライバーが見つからない場合や、大型ビルやホテルなどで待機しているタクシーがいる場合など、状況によっては直接タクシーを利用することもあります。ベトナムでよく知られているタクシー会社は以下の通りです。

 

・Vinasun taxi(ビナサンタクシー)・MAILINH(マイリン)
・TAXI GROUP(タクシーグループ)・G7(ジーセブン)など

 

ベトナムでは、偽物のタクシーに注意が必要です。稀に見かけますので、注意しましょう。また、空港では客引きをしてくるドライバーには注意した方が良いでしょう。配車アプリが使えない場合やタクシーが見つからない時にやむを得ず利用する場合でも、料金をしっかり確認することをおすすめします。

ベトナムのタクシーと日本のタクシーとの異なる点としては、自動ドアがないことが挙げられます。乗車時には自分でドアを開ける必要があります。また、目的地を伝える際には建物の名前ではなく、「建物の番号と道の名前」で伝える必要があります。Google Mapなどで表示するとスムーズに運転手とのコミュニケーションがとれます。

 

◆バス
ベトナムでは、電車の普及はあまり進んでおらず、通勤や通学には主にバイクやバスが利用されています。バイクはベトナムで一般的な交通手段であり、道路上では多くのバイクが行き交っています。バスも頻繁に運行されており、市内や都市間を移動するのに利用されています。

長距離の移動が必要な場合には、寝台バスや夜間バスが非常に便利です。これらのバスは快適な寝台や座席を備えており、長時間の移動に適しています。特に観光地間の移動や夜行移動に利用されることが多いです。

ハノイ市内には多くの路線バスが運行しており、Google Mapを使用すればどのバスに乗ればよいのか分かります。運賃は距離に関係なく路線ごとの固定料金で7,000~9,000VND、一部空港からの便は45,000~50,000VNDです。
バスに乗るときは前方から乗車し席に座ります。乗務員が来るので運賃を支払ってからチケットを受け取ります。降車時は降車ボタンを押すと次のバス停で停車し、後方から降車します。
停止せずに徐行のまま乗り降りが行われる場合もありますので、バス停で目的のバスに乗る場合はドライバーにアピールする事も必要です。ドライバーが乗客がいないと判断すると、素通りしていきます。

メリットとしては、安価で移動が可能なことです。バスの料金は、基本的に車掌さんに直接渡します。料金を渡すとチケットのような小さな紙をくれます。

バスのデメリットとしては、時刻通りに運行されないことや、乗客が少ない場合には早めに出発してしまうことがあります。また、混雑していることも多いため、日常的な移動手段としては時間が読めず使いにくい面もあります。バスを利用する際には、時間に余裕があり、遅延などを気にしない場合に利用することをお勧めします。

 

◆電車
ベトナムでは2021年にハノイで都市電車が開通しました。この都市電車の建設は2011年から中国政府の融資を受け、中鉄六局集団が担当しました。約10年の工事期間を経て、ハノイ中心部のドンダー区カットリン駅からハドン区イエンギア駅まで、南西に約13キロメートルの路線が開通しました。
他の路線についても工事中であり、順次開通していく予定となっております。

都市電車の運賃は、8000〜1万5000ドンであり、1日乗車券は3万ドン、定期券(1ヶ月)は20万ドンです。工業団地で働く労働者や高齢者、障がい者、6歳未満の子どもは無料で利用することができます。

長距離電車については、ベトナムの鉄道は「統一鉄道」として知られているものがあります。1905年から1910年にかけてフランス植民地時代に建設が始まりました。最初の路線は中国の昆明市からハノイまでの鉄道であり、フランスの影響が強く反映されました。1935年に南北鉄道の建設が進んだものの、戦争の勃発により運行が中断されてしまいました。1996年になって南北鉄道が再開され、ハノイとホーチミンを結ぶ鉄道路線が再び利用可能となりました。

現在、ハノイ駅からホーチミン駅までの移動には統一鉄道を利用することができます。この路線は片道の移動で約32時間半を要し、運賃は106万3000ドンです。航空機に比べると安いですが、長時間の移動や強い揺れによる乗り物酔いに注意が必要です。
統一鉄道を利用する際には、運行スケジュールやチケットの予約について事前に情報を確認することが重要です。また、快適な旅行をするためには飲食物の準備や予備の乗り物酔い対策なども考慮しましょう。

 

◆自転車
ベトナムでバイク免許を持っていない、学生たちがよく利用する移動手段として、自転車や電動自転車があります。また、公共自転車(シェアサイクル)の試験導入が始まりました。このシェアサイクルサービスは、現地の人々の移動手段としてだけでなく、観光客にも利用されています。料金は驚くほどリーズナブルで、30分で5000ドン、1時間で1万ドンとなっています。アプリで簡単に手続きができ、最短30分から時間単位、日単位で使用できます。返却はどのステーションでも可能です。事前にアプリでポイントをチャージして使用します。

シェアサイクルの利点は、出発地と目的地の間にステーションがある場合、非常に安価で迅速に移動できることです。しかし、デメリットも存在します。ベトナムでは、自転車は必ず車道を走らなければならないため、事故や怪我のリスクが高くなります。特に、バイクの多いベトナムでは、時折荒い運転をするバイクと共に走る必要があるため、十分な注意が必要となります。

 

以上がハノイ市内での外国人が利用する移動手段のご紹介となります。安全面を考慮して、社有車の利用を指示されていたり、企業様ごとの社内規定にもよりますが、長期滞在される方は、日本の免許をベトナムの免許に切り替えて、ご自分でバイクや車を運転される方も多くいらっしゃいます。それぞれの生活スタイルに合わせた移動手段のご検討に少しでもご参考になれば幸いです。

 

IDIではベトナムでのビジネス展開に精通した経験豊富な日本人と、日本語が話せるベトナム人スタッフがお客様へ対応いたします。お問い合わせについても適切な日本人コンサルタントがご対応致しますので、ベトナムで工場をレンタルもしくは建設をお考えの際にはお気軽にご相談ください。

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