2024年2月8日(木)~2月14日(水):テト(旧正月)
ベトナムでもっとも長い連休になり、2024年は2月8日(木)~2月14日(水)の7日間です。
ベトナムでは旧正月のことを「テト」と呼び、街中がお祝いムードに包まれます。
ベトナム語で“あけましておめでとう”は「Chúc mừng năm mới(チュックムンナムモーイ)」です。
お年玉袋を始め、テトの装飾や贈り物にも書かれていることが多いです。
「テト」の基準になっている旧暦は太陽太陰暦のことを指します。
日本を含め現在は殆どの国が太陽暦を採用しており世界標準のカレンダーとなっていますが、
文化的な面では中国を中心とした東アジアや東南アジア、イスラム諸国では現在も太陰暦を用いています。
旧正月に関してはベトナムの他にもシンガポール、マレーシア、台湾、韓国など中国文化の影響を受けた国や
華人の多い地域では旧正月を祝う習慣が今でもあります。
ベトナムの太陰暦は基本的には中国のものと同じですが、月の初めを決める月の動きを観測した時点で時差があり、
中国とベトナムの太陰暦には若干ずれが生じるので、
旧正月と言っても国によって大晦日の日にちが違ったりします。
日本人が正月に実家に帰省するように、ベトナム人はテトは家族で過ごします。
そのため、日本の大型連休前のようにテト前は帰省ラッシュが発生します。
最近は帰省だけではなく長期休暇を利用して遠方に旅行する人も増えてきました。
テトの約1ヶ月前から市場やスーパー、街中などでお正月の装飾品や贈り物、お年玉袋、
ベトナム北部では桃の花、桃の花が咲かない気候の南部~中部は黄色い梅の花や金柑の木が
売られ始めます。
桃の花は魔除けになるとされており、黄色い梅の花は金運アップ、
金柑の木は黄色の実がたくさん生ることから子孫繁栄や金運アップを意味しているのです。
大晦日までに家を大掃除し、新年を迎えるのは日本と同じ。
テト期間中は、道端でよく獅子舞や龍舞の団を目にします。
獅子舞や龍舞は、繁栄や富を願うものとされています。
テトの風習
◎旧暦の大晦日:ベトナムでは亡くなった先祖を迎えるため、大晦日の午後に先 祖のための食事を必ず用意します。
さらに、大晦日の夜には食事を 2 セット 用意し、1 セットは先祖のため供物台に供え、
1 セットは神様のために庭に 供えます。
また、多くのベトナム人は、新年を迎える 時刻に Loc(神社・お寺などに植えられている常緑樹の枝と葉)を
供物台に 供え、一年の無病息災を祈ります。
◎旧暦の元旦:テトの中でも一番大切な日で、この日初めての来客者(「Xong dat」 という)が
新年の幸運に影響を与えると考えられています。
そのため、多く のベトナム人は Xong dat を予め選び、お願いしています。
また、通常はこ の日に家族全員で祖父や祖母の家を訪問、新年を祝い、子供達にはお金が入 っている
小さな赤い袋(「お年玉」)が振る舞われます。
その他、屋外を掃 除しないこともテトの習慣のひとつです。
ベトナムではゴミを掃くと新年の 幸運も掃かれると信じられているためです。
◎旧暦の 1 月 2 日、3 日:お世話になった先生、友達、近所のお宅を訪問し、新 年のお祝いをします(この訪問を通じて周囲との関係が良くなります。)。 また、お寺を訪れることもテトの習慣の一つとなっています。旧暦の 1 月 3 日には、大晦日にも準備した先祖に対する食事を再度用意します。これは先祖を送るためのものです。
Mam ngu qua(大きな皿の上で果物の五類が並んだもの)を家に飾り付ける ことがテトの特徴のひとつです。
Mam Ngu qua は、テトの一日目から三日 目まで供物台に供えられ、その後、家族の幸運を願い家族全員に配られます。
テトが近づくと、ベトナム人は旧年の不運を追い出すため、家や家具を掃除し、 ピンクの桃の花、黄色い梅の花、金柑などを居間に飾ります。
ピンクの桃の花と ベトナムにおける旧正月(テト) 黄色い梅の花は初春だけに咲き、金柑はたくさんの実がなることから、どちらも 新年の幸せを願うための特別な木です。
テトにはバインチュン(Bánh trưng、地方によっては筒状のバインテッ・Báng Tết。中身はバインチュンと殆ど同じ)と呼ばれる青豆を潰したものや豚肉などをもち米で挟み、バナナやココナッツの葉っぱに包んで蒸す料理が代表的です。
日本ではお年玉は子供にあげるものですが、こちらでは渡す対象が幅広いのが特徴です。
社会人・既婚者が両親や親戚などの年長者(収入がない、自分より低い)・未婚者、未成年者へ、テト期間中に会った知人の子供や、職場では管理職から部下、社員警備員さんや清掃スタッフなどなど。
金額はまちまちで20,000VND(約100円)~1,000,000VND(約5,000円)です。
特に50,000VNDや200,000VNDの紙幣は赤色で縁起が良いとされており、1USDや2USDも縁起がいい紙幣だそう。会社の場合はテト前にボーナスを支給するので配りません。
配る場合は個人の判断になるので他の管理職の方と相談して決める会社も多いそうです。
テト中に気を付けること
テト期間は労働者の給料が上がる分、全ての料金や値段が高くなります。
大体通常価格の20%割増〜ですが、お店によって割増のパーセンテージが違うのでご注意を。
テト期間中は飲食店だけでなく、観光地の一部や市場、公共の施設も休業や時短営業になっていたりするので
お目当ての場所が開いているか、予め調べておくことをお勧めします。
テト前やテト中は空き家を狙った泥棒や、人混みでのスリや盗難が多くなる傾向があります。
またイベントや花火が行われる場合は道の渋滞が多くなり、タクシーなどもなかなかつかまりません。
いざ乗れても移動にかなり時間がかかる場合もあるので、時間に余裕を持って行動してください。
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